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2011-02-23

乳児期の人間関係と成長してからのカップルの口論のあとの仲直りの関係

ツイッターで拾ったMedical News TODAYの記事。

単に幼い時期の経験がその人の将来に影響するという話で終わらせるのではなく、将来のパートナーさえ救う力になるかもしれない、というストーリーはなかなかロマンチック。

(追記)元のアブストラクトはこちら。@symphonicworks( Takuro Maruyama ) さんから情報をいただきました。ありがとうございます。(2011-02-24)

Infant Relationships Affect How Couples Recover After An Argument Later In Life

人間関係を調べるとき、心理科学者はしばしばカップルのケンカに着目する。しかし、ケンカのあといかに仲直りをするのかも重要である。科学的心理学会の発行するPsychological Science誌に掲載された新しい研究によると、葛藤から立ち直るカップルの能力は、二人がどのような乳児だったかということに左右されているのかもしれない。

ミネソタ大学の研究者が、1970年代の中頃生まれのコホートを出生前から追跡してきた。対象者は20歳前後になったときに、テストを受けるために自分の恋人とともに実験室を訪れた。このテストには対立議論が含まれていた。彼らは意見の一致しない問題について話すよう求められ、その後の「冷却期間」では、彼らは何か意見の一致することについてしばらく話し合った。

この冷却期間はただカップルがケンカを持ち越すことがないように研究者が設定したものだったが、ミネソタ大学の博士大学院生ジェシカ・E・サルヴァトール(Jessica E. Salvatore)は、この仲直り時間でのカップルのコミュニケーション・スタイルについて面白いことに気がついた。「カップルのケンカのしかたを見る別のプロジェクトの一部として、私はこの何分間かの冷却期間をよく目にしていました」と彼女はいう。サルヴァトールは、激しいやり取りをしたにもかかわらず完全にすっかり切り替えて、意見の合うことについてのおしゃべりをするカップルがいることに気づいた。一方、カップルの一方または両方が対立議論に「はまった」状態で身動きが取れなくなってしまっているように見えるケースもあった。

ミネソタ大学のサリー・I=チュン・クオ(Sally I-Chun Kuo)、ライアン・D・スティール(Ryan D. Steele)、ジェフリー・A・シンプソン(Jeffry A. Simpson)とW・アンドリュー・コリンズ(W. Andrew Collins)とともに、サルヴァトールは終了したはずの葛藤のあとで何が起きているのかを見極める作業に取りかかった。研究参加者とその養育者の1970年代からの観察をさかのぼっていったところ、彼らが12〜18か月のところで、カップルの葛藤後の仲直り行動と彼らの養育者との愛着関係の質とのあいだの結びつきを発見した。乳児時代に養育者と安定した愛着を結んでいた人は、20年後に葛藤からうまく立ち直れる。つまり、乳児の否定的感情を養育者が上手に制御したなら、その人はおとなになったときに衝突のあとで自分の否定的感情をうまく制御できる傾向があるということである。

研究者は、乳児期の愛着が不安定だった人にも希望があることを発見した。「乳児期の愛着が不安定だった人が、おとなになって葛藤からうまく立ち直ることのできる恋人と一緒にいるということがありそうだということがわかった」とサルヴァトールは述べている。「一方の人が葛藤から立ち直るこの過程を導くことができるなら、相手の人や人間関係を守るかもしれない」一方の人が葛藤から素早く抜けだして否定的な考えや感情でくよくよするのを避けることができれば、健全な関係を損なわずにすませられる。

これは、恋人が人生初期の劣悪な経験の潜在的悪影響をやわらげる役割をはたすという最初の証拠の一つである。「私たちはこの発見でとてもわくわくしました」とサルヴァトールは言う。「のちの人生で出会う大切な人の、以前起きたことの結果を変える何かがあるということなのですから」

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