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2011-04-02

自尊心の低い人は偏見を持ちやすい

Twitterで拾ったAPSの記事。

People With Low Self-Esteem Show More Signs of Prejudice

自分自身をダメだと感じているとき、人は異なる人々に対する偏見をより強く示すようだ。心理科学会の雑誌Psychological Science誌に掲載された新しい研究が、どんなふうにしてそれが起きるのかを調べている。

「人々がなぜ型にはめたり偏見を持ったりするのかということについての最も古い説明の一つは、それによって自分自身がより優れていると感じられるからというものだ」とジェフリー・シャーマン(Jeffrey Sherman)はいう。彼はカリフォルニア大学デイヴィス校にいて、この研究をトマス・アレン(Thomas Allen)とともに執筆した。「私たちが自分をダメだと感じているときは、他の人を中傷し、それによって自分が他者よりも優れていると感じるようにするのだ」

シャーマンとアレンは、潜在的連合テスト(Implicit Association Test, IAT)を使ってこの主張について調査した。IATは単語や絵に対する自動的な反応を評価するようにつくられた課題である。人々の潜在的な偏見を明らかにするために、被験者はコンピュータのモニタにポジティヴな単語、ネガティヴな単語、黒人か白人の顔写真が表示されるのを見るように求められる。第一の課題で、被験者は黒人の顔かネガティヴな単語のときに「E」のキーを、白人の顔かポジティヴな単語のときには「I」のキーを押すように求められる。第二の課題では、組み合わせが反対になる。つまり被験者は今度はポジティヴな単語と黒人の顔、ネガティヴな単語と白人の顔を結びつけることになる。

IATでの偏見の測定は直截的である。被験者が黒人についてネガティヴな連想を持っているなら、第二の課題の方を難しく感じるはずだ。このことは自分をダメだと思っている人でより当てはまるだろう。

だが、心理学者はこの仕組みについては同意していない。「人々はまったく同じデータに基づいて理由についてのまったく異なる論証をおこなっている」とシャーマンはいう。これには二つの可能性がある。自分をダメだと感じることは、他者についての否定的な評価を活性化させるか、そのような偏見を抑制しないようにする。

この実験でシャーマンとアレンが被験者に求めたのは、創造的な思考を必要とする非常に難しい12問の問題に取り組むことであった。この問題に2問以上正解した人はいなかった。被験者の約半数には自分のテストの結果が示され、平均点が9点であったと伝えられる。これは、自分はダメだと思わせるためである。残りの半数はテストはあとで採点されると伝えられた。その後すべての被験者がIATを受け、予想通り、自分のテストの結果が悪かったと感じた被験者が潜在的な偏見の証拠をより多く示した。

だが、シャーマンとアレンはもう一歩突っ込んだ。彼らはさらにこの効果が生じる過程を示した数学的モデルを適用したのである。実験データに当てはめた結果、自分をダメだと感じている人が強められた偏見を示すのはネガティヴな連想がより強く活性化されることによるものであり、偏見の抑制が弱くなるということではないということを突き止めることができた。

この違いは微妙だが、重要なものだとシャーマンはいう。「もしこの問題が、人々が偏見を抑えることがうまくいかないということなら、もっとうまく制御できるように訓練できるかもしれない」だが、彼の結果はそうではないことを示唆している。「問題は私たちの心が他者の集団のより否定的な側面に惑わされてしまうことだ。これについてできるのは、他の人々に対して別の考え方を試すことだ。自分自身をダメだと感じていて他者の集団をネガティヴに考えてしまっている自分に気づいたら、『私はテストで失敗したとか何とかのせいでそう感じているのかもしれない』ということを思い出そう」

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Health & Beauty Reviewというサイトに、もっと以前に「自尊心が低い人は、他人に対する偏見がひどい」というタイトルで同じ研究が紹介されていました。
http://www.hbrweb.jp/news/1263

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このブログのライター

  • (た)
    北海道地方の大学教員