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2011-06-05

言語パターンは子ども時代の発達を通じて激しく変化する

Twitterで拾ったScience Dailyの記事。
強調の意味を持つ北海道弁「なまら」が主として男子中高生によって多く使用されるというような、仲間関係の共有を強調するための方言の使用みたいなことも関係あるのかもしれない。

Language Patterns Are Roller-Coaster Ride During Childhood Development

いつ、どのようにして、私たちは今やっているように話す方法を学ぶのだろうか。ノースカロライナ州立大学のアフリカ系アメリカ人についての研究で、思いがけない発見があった。子ども時代の言語使用は、子どもが方言のパターンに適応したり適応をあきらめたりして激しく変化するらしい。

「私たちは『ジェットコースター効果』があることを発見した。これは、子どもの言語発達の過程を通して、子どもの方言英語(vernacular English)の使い方に浮き沈みがある現象だ」と話すのは、ノースカロライナ州立大学ウィリアム・C・フライデイ特別英語学教授(William C. Friday Distinguished University Professor of English Linguistics at NC State)で、この研究についての最近のいくつかの論文の共著者であるウォルト・ウォルフラム(Walt Wolfram)博士である。「まったく予想外だった。」方言英語とは、ここでは標準的な英語とは異なる文化的に特有の発話パターンと定義されている。この場合でいえば、アフリカ系アメリカ英語(African-American English, AAE)である。

この発見の一つの含意は、教育についてのものである。教師はたいてい幼児教育の初期に標準的な英語を推奨する。「このやり方は最初うまくいくように見える」とウォルフラムはいう。「だが、それは長続きしない。」言い換えれば、学校システムが生徒に標準英語をしっかり身につけて高校を卒業して欲しいなら、教育課程の後期に標準英語をもう一度やり直さなければならないかもしれないということである。

具体的には、子どもたちが就学時に話す英語は、比較的多くの方言の特徴を持っていることを研究者は発見した。その後、小学校の4年生までのあいだに、これらの特徴は弱まり、子どもたちはより標準的な英語の言語パターンに適応する。子どもたちが中学校に入ると、方言は増える。しかし高校に入るころには多くの子どもでたいてい方言の使用が減る。

「この発見は、アフリカ系アメリカ英語方言の使用に周期的なパターンがあることを明らかにしている。子どもの言語発達の中でそのようなことが起きているとはだれも思っていなかった」というのは、ノースカロライナ州立大学の研究助手で、この研究の共著者のヤネケ・ファン・ホーフウェーヘン(Janneke Van Hofwegen)である。「私たちがこの研究を始めたときには仮説にもなっていなかった」

彼らのデータはアフリカ系アメリカ人の子どもたちだけのものだが、この発見は他のグループにも幅広く当てはめられるだろうと、研究者たちは述べている。

この研究は、アフリカ系アメリカ人の子どもたちの言語発達を縦断的に調べてきた、長期的で広範な調査から出てきたものである。この研究は1990年に始まり、ノースカロライナ中部の88人のアフリカ系アメリカ人の子どもの言語発達を追跡調査している。研究は継続中であり、当初参加者のうち68人を現在も追跡中である。データはノースカロライナ州チャペルヒルのフランク・ポーター・グレアム児童発達研究所が収集した。

とくに子どもたちの約71%が1990年時点で貧困線以下にあったことを考えると、参加者の継続率は非常に高い。「それはすばらしいことで、子どもたちの言語発達を研究するまれな機会を私たちに与えてくれている」とウォルフラムはいう。

この研究は研究者に、この研究自体でおこなっている面接と調査によって集められるデータだけでなく、学校と試験のデータを見られるようにして印象的なデータも与えている。

研究者は現在、子どもの方言使用に母親が果たす役割に加えて、読み書きの能力が方言の使用とどのように関係しているかを検討しているところである。

Journal References:
Wolfram, Walt, Janneke Van Hofwegen, Mary Kohn, Jennifer Renn. Trajectories of Development in AAE: The First 17 Years. Proceedings of the Conference on African American Language in Popular Culture, (in press)
Janneke Van Hofwegen, Walt Wolfram. Coming of age in African American English: A longitudinal study. Journal of Sociolinguistics, 2010; 14 (4): 427 DOI: 10.1111/j.1467-9841.2010.00452.x

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  • 北海道地方の大学教員