« 言語パターンは子ども時代の発達を通じて激しく変化する | トップページ | 子どもとうつ病 »

2011-10-11

問題を解決するのに心と体を使う

かなり前にTwitterで拾ったMedical News TODAYの記事。

アフォーダンスに応じて環境とかかわる、という生体の根本に照らせば、至極当然なのかもしれない。
こういうシンプルな実験でものを言えるのって、とても面白いことだなあ。

Using Mind And Body To Solve A Problem

 解決すべき問題があるとき、私たちは脳だけを使うのではなく、脳以外の体も使う。神経学者なら知っていることだが、接続は一方通行ではない。今や、認知心理学からもそのことの証拠が得られている。「問題解決において体を使えるときには、問題解決のやり方が変わります」と話すのは、ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)の心理学教授、マーサ・アリバリ(Martha Alibali)である。「体の動きは私たちが認知過程で使うことのできる資源の一つなのです」
 アリバリと共同研究者たち、同じくウィスコンシン大学のロバート・C・スペンサー(Robert C. Spencer)、バーミンガム大学(University of Birmingham)のルーシー・ノックス(Lucy Knox)と喜多壮太郎(Sotaro Kita)による新しい研究の結論は、もう一つの直感に反する結論によって補強されている。それは、たとえ運動と空間についての問題を解決すべき場合であっても、体を使うことができないと他の方略を使うことを余儀なくされ、ところがそれがより効果的なことがありうるということである。
 この発見は、Psychological Science誌(アメリカ科学的心理学会のジャーナル)の次号で発表される。
 この研究は、二つの実験を含んでいる。一つ目の実験では、86人のアメリカ人の大学生が集められた。半数はマジックテープで板に止められた手袋で手を動かせないようにされた。残りの人はマジックテープで別の板に足を固定して動かせないようにされたが、手は自由に動かすことができた。不透明なスクリーンの向こうから、実験者が歯車同士の関係についての質問をした。たとえば、「五つの歯車が一直線に並んでいるとき、最初の歯車を時計回りに回すと、最後の歯車はどうなりますか」実験参加者は口に出してこの問題を解き、そのようすが録画された。
 それから、ビデオを分析して実験参加者が使った身振り(手を回転させたり時計の針のように動かしたりすること、数えること)、被験者がこれらの物理的な動きを視覚化していることを示す言語的説明、より抽象的で知覚−運動過程を参照しない数学的規則の使用の数が調べられた。
 結果は次の通り。ふつうの身振りができる人はそれをした。そして多くの場合彼らは知覚−運動方略をパズルの解決に使った。手の使用を抑制された人々は、手を使えても身振りをしないで解いた人と同じような抽象的で数学的な方略を、より多く使った。
 二つ目の実験では、111人のイギリス人の成人が同じことを黙ったままおこなったところをビデオに録画して、あとからその方略が分析された。結果は同様だった。
 この結果は、心と体の関係について、そして心や体と空間との関係についてのより深い問題を示している、とアリバリは述べている。「私たち人間が考えるとき、問題を解決しものを概念化するために常に視覚−空間的メタファーを用います。一見それが物理的とは見えない分野についてさえもそのようにします。追加するときには『上がる』のであり、減らすことは『下がる』のです。いい気分は『高い』、悪い気分は『低い』のです。これが、私たちの概念の風景の隠喩的構成なのです」
 教育心理学者でもあるアリバリは問う。「私たちはどのようにして動作と知覚の力を学習において利用できるのだろうか」これは、逆に次のようにも問える。体を使うことのできない人々の認知方略はどのようになっているのだろうか。「彼らは問題の別の側面に焦点を当てるでしょう」と彼女はいう。そして、私たちが学ぶことのできていない何かがそこにあるのかもしれない。

Source:
Divya Menon
Association for Psychological Science

« 言語パターンは子ども時代の発達を通じて激しく変化する | トップページ | 子どもとうつ病 »

教育」カテゴリの記事

認知」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 問題を解決するのに心と体を使う:

« 言語パターンは子ども時代の発達を通じて激しく変化する | トップページ | 子どもとうつ病 »

このブログのライター


  • 北海道地方の大学教員