カテゴリー「発達」の38件の記事

2016-05-10

乳児は他者の欲求を理解している

M. Köster, X. Ohmer, T. D. Nguyen, J. KärtnerによるInfants Understand Others' Needsという論文のアブストラクト。掲載誌はPsychological Science(April 2016 vol. 27 no. 4 542-548)。

本文は有料なので読んだのはアブストラクトだけ。赤ちゃんの「有能さ」の社会的な側面についてはこれまでもいろいろ言われていたわけだが,こういう話が出てくると「心の理論」とはなんだったのか,という感じになってくるなあ。

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2016-04-12

幼児の問題行動は「老化」バイオマーカーとつながっているかもしれない

Twitterで拾ったPsyPostの記事。
Early behavior problems may be linked to ‘aging’ biomarkers in preschoolers


元ネタはWojcick, et.al. "Telomere length is associated with oppositional defiant behavior and maternal clinical depression in Lation preschool children"

幼児の反抗挑戦行動と白血球のテロメアの短さに関係がある,という研究。テロメアが短いと行動上の問題が起きる,というような直接的なつながりが示せているわけではない。母親のうつ病と子どものテロメアの短さの関係も言っているが,一方で子どもと母親の両方のテロメアが短いという話もあったりして,いろいろ絡み合っているものの簡単な因果関係では言えそうにはない。

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2016-03-16

低所得層の子どもの脳の発達は家庭訪問で促進されるかもしれない

ずいぶん長いこと中断していたこのブログに,もう一度チャレンジ。
Twitterで拾ったLisa RapaportによるReuters Healthの記事。
Home visits can boost brain development for low-income kids

タイトルで「脳」を出すのはちょっと話を盛りすぎの気もするが,早期の教育的介入の効果への希望が感じられる研究ではある。

元ネタは,C. M. Bann, et. al.のPediatrics April 2016の論文"Home-Based Early Intervention and the Influence of Family Resources on Cognitive Development"。

親が幼児と認知的スキルを使うことを援助するような家庭訪問によって,低所得世帯の子どもの脳の発達が助けられるということを示唆する研究がある。

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2011-10-16

子どもとうつ病

Twitterでだいぶ前に拾ったMedical News TODAYの記事。
子どものうつ病は、まだそれほどよく聞くものではないと感じているが、こういう報告が出てくると、大人とは同じではないかもしれないにしても、なんらかのそれに類するものは存在するのだろう、と思わざるを得ない。

Children And Depression


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2011-06-05

言語パターンは子ども時代の発達を通じて激しく変化する

Twitterで拾ったScience Dailyの記事。
強調の意味を持つ北海道弁「なまら」が主として男子中高生によって多く使用されるというような、仲間関係の共有を強調するための方言の使用みたいなことも関係あるのかもしれない。

Language Patterns Are Roller-Coaster Ride During Childhood Development

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2011-02-23

乳児期の人間関係と成長してからのカップルの口論のあとの仲直りの関係

ツイッターで拾ったMedical News TODAYの記事。

単に幼い時期の経験がその人の将来に影響するという話で終わらせるのではなく、将来のパートナーさえ救う力になるかもしれない、というストーリーはなかなかロマンチック。

(追記)元のアブストラクトはこちら。@symphonicworks( Takuro Maruyama ) さんから情報をいただきました。ありがとうございます。(2011-02-24)

Infant Relationships Affect How Couples Recover After An Argument Later In Life

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2010-10-13

反社会的行動を防ぐために開発された3歳児の教育プログラム

Medical News Todayで流れていた記事。短期的な効果は思いのほか高いようだ。でもその効果の持続性はどうかな。年齢が低い子どもは、こういう行動レベルではけっこう変わりやすいから。

Education Program Developed For Preventing Antisocial Behaviour In 3-Year-Old Children

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2010-09-16

精神病は「超女性脳」の特徴なのか

BPS Research Digest Blogで流れていたPersonallty and Individual Differences掲載の論文のアブストラクト。男だって、パラノイアやマニアを示すことはあるわけで、ことはそう単純ではないと思うけれど、こういうキャッチーな話は一般受けしそうだなあ。少し違う側からの話題では、以前紹介した「自閉症と白質/髄鞘化:創造性/精神病の反対の表現型?」と同じ方向のことを言っている感じか。

Mark Brosnan, Chris Ashwina, Ian Walkera and Joseph Donaghue
Can an ‘Extreme Female Brain’ be characterised in terms of psychosis?

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2010-09-14

文化進化としての言語進化:脳はどのように言語を形成したか

 たとえば類人猿の身体的構造は言語には適していない、というように、言語は、生物学的な存在の外側に実在する何ものかであるかのように述べられることがある。だが確かにこのアブストラクトの示唆するように、脳をはじめとする人類の器官は言語を生み出すのに適していた、という言い方は言語を外在化しているという意味で逆立ちしている。人類は、その器官を使ってできるやり方で、言語を生み出したのだ。
 以前、学生相手に授業で知能の話をしたとき、自分の思う、動物の知能の高さについてランキングをつけさせたことがあった。多くの学生は、ヒトが一番高く、犬猫や海獣類がそれに続き、鳥類、カエル、虫、アメーバ、というような順序で知能が低くなっていく、というようなランキングにしていた。そこで私は、「ヒトにわかることがイヌにはわからないから、イヌはヒトより知能が低い、と思っているかもしれないが、イヌのほうはヒトを見ながら、こいつらはなんでこんなにおいの違いもわからないんだろう、バカな奴らだな、と思っているかもしれない」という話をしたものだが、ほとんど無反応だった。
 人類の言語のもつある種の抽象性や構造性を「高度な進化」と結びつけて語ることは、人間中心主義の思想の表れなのだな。

 これで連想したこと。
 地球で2番目に知能の高い動物であるイルカ(人類は3番目)が「地球が破壊されることを人類に警告していた。しかしボディ・ランゲージを使ったイルカ達の警告はことごとく人類に誤解され、餌を貰いたいがために行う芸だと思われてしまった。イルカ達の最後のセリフ「長いことお魚をくれてありがとう」も人類には「後方2回転火の輪くぐり」という高度な芸だと勘違いされた」(ダグラス・アダムズ「銀河ヒッチハイク・ガイド」についてのウィキペディアの解説より)

前置きが長くなってしまった。 BPS Research Digest Blogで流れていたWiley Interdisciplinary Reviews: Cognitive Science掲載の論文のアブストラクトは、以下。

Language evolution as cultural evolution: how language is shaped by the brain

Nick Chater, Morten H. Christiansen
Article first published online: 28 JUN 2010
DOI: 10.1002/wcs.85

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2010-09-12

幼児は他者を理解するのに統計学を使っている

ついったーで流れていたMedical News Todayの記事。大人がどのおもちゃを好きか、赤ちゃんに判断させるというのはどうやってやったのか、不思議な感じがする。いずれにせよ、こういう判断が比較的早い段階でできるというのは、赤ちゃんが物理法則を理解しているかのように視線を動かしたりするという研究などとともに、何か基本的な判断単位というか認識の量子みたいなものがあるのかな、というイメージを喚起させられる。

Psychologists Discover That Preschoolers Use Statistics To Understand Others

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  • 北海道地方の大学教員